プッシュアップ、いわゆる腕立て伏せは、ポピュラーな筋トレ方法の一つです。しかしながら、もっと強くなりたい、細マッチョになりたい、筋肉を大きくしたいといった場合、オーソドックスな方法では負荷に限界がきて、伸び悩むことが少なくありません。そこで本編では限界を突破するための負荷・強度を高めた腕立て伏せのバリエーションをご紹介したいと思います。



腕立て伏せの強度高めるバリエーション

プッシュアップの強度の上げ方について、いくつかのバリエーションをご紹介したいと思います。
通常のプッシュアップはこちら>>

椅子の上に足を置く

まずは、椅子を使っての強度の上げ方です。足を置く位置を椅子の上に置いて行うやり方になります。

バリエーション(1)

椅子の上に足を置いて、上半身は腕立て伏せの姿勢をとります。単純に足を置く位置を床から椅子の上に移動させた状態になると考えて下さい。

この姿勢から、体幹を一直線にキープしたまま上下運動を繰り返します。

角度が付いた分、上半身にかかる負荷は大きくなっています。この方法でも通常の腕立て伏せと同じように腰が反ったり、頭が落ちたりすることがないように行って下さい。

背筋を一直線に伸ばすことによって効果的な刺激が大胸筋、特に上部の方に加えることができます。

胸の筋肉はご覧いただければ分かるんですけれども、横の長さと縦の厚みとあります。ボリュームがありますので、全体をまんべんなく強化するというのは一つの種目だけでは難しいんですね。

従いまして、通常のプッシュアップである程度の回数がこなせるようになってきたら、運動強度を上げて、椅子の上に足を置くなどしながら角度を変えてトレーニングをするというのが非常に有効になってきます。

片方の脚を持ち上げる

次に片方の脚を持ち上げて行うプッシュアップです。

プッシュアップのフォームから片脚を浮かすわけですが、人間の体は幅がありますので、片方の脚を持ち上げた時には、体の中心軸というものが少し左右にシフトしてしまいます。そのまま何もせずにいれば、体はひねられていくことになります。このひねりを起こさないように、しっかりと上体で支えるために、脚を上げた側の胸により多くの負荷がかかってくることになります。

腕立て伏せの姿勢をとったら、左右どちらかの脚を浮かします。しかっと体幹をキープしないと体は脚を上げた側に歪んでいくことになります。

歪まないようにしっかりと体幹を支えて、それ以外は通常のプッシュアップと同じフォームで行います。

左右どちらも同じ回数できるのが理想ですが、どのくらいの力が出せるかというのは人によって、利き腕、利き脚というのがあるように左右で同じ力が出せないこともあります。その場合は、弱い方に回数を合わせて下さい。

例えば、右脚を上げて行った場合は20回できた。逆に左脚を上げて行った場合には10回しかできなかった。このような場合には、左脚の10回に合わせて右も10回でやめるということになります。

そのようにして弱い方に合わせていきながら、やがては左右を均等に行えるようにする。このようにして負荷を調整して下さい。

ジャンプして負荷を上げる

次は、床から手を浮かしてジャンプすることで負荷を上げるジャンピングプッシュアップです。

プッシュアップである程度の回数をこなせるようになったあとに、最初にご紹介した椅子の上に足を上げて行うような方法に移行することで負荷を高めて、少しずつ強くしていきます。

十分に強くなって自身が付いてきたら、今度はジャンプすることで運動強度を高めていくことになります。

ジャンプをすることによって、高さの位置エネルギーが発生しますので、非常に大きな負荷を掛けることができるんですね。

バリエーション(3)

スタートのポジションは通常の腕立て伏せと同じです。違うのは肘を伸ばして上げる時に、床を突き放すようにして床を力強く押して、ジャンピング動作を行う点です。

注意点は、ジャンプしている時、着地している時、体幹がしなったりしないように固めて行うようにすることです。つまり、動作中は常時、体を一直線に保ったまま行うわけですね。

次にどのようにしてジャンピングプッシュアップを成立させるかについてですが、実は突き放してジャンプすることと、もう一つ着地した時にどこまで肘を曲げるのかということがポイントになります。

まずは、下ろしたところのポイントの決め方についてです。

プッシュアップの状態から一瞬肘を脱力します。そして受け止めるんですね。(この方法については文章では限界がありますので、動画で動作確認して下さい)

どこで受け止めることができるというのは、その時点でのトレーニングをしている強さよって決まります。

間違ったやり方というのは、着地をした時に止めることができずに下に沈んでいってしまうというのが、間違ったやり方です。

必ず着地は一回で決めて、そこからしっかりと突き放していきます。この2つの大きな切り替えしによってトレーニングは成立します。

ジャンプしたあとの着地を一発で決めるようにして下さい。

プッシュアップの目標回数(時間)と頻度

  • 【回数】60秒×1~3セット
    ※左右行う種目はそれぞれ60秒行う
    ※続けて行うことができない場合は、10秒を6回に分けて行ってもOK
    ※セット間の休憩は60秒
  • 【頻度】1~2日おき
    ※フォームの習得期間や負荷が軽いうちは、毎日行ってもOK
    ※疲労度に応じて調節する
    ※場合によってはもっと空ける

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長